TGSを席巻中の『新サクラ大戦』開発者に訊きました!

 2019年9月12日~16日(12日、13日はビジネスデイ)、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2019。セガゲームスブースの特設ステージでは、4日間毎日『新サクラ大戦』のステージ“サクラ大戦 帝劇宣伝部通信 TGS特別回”が開催されており、連日さまざまな新情報が惜しげもなく披露されている。

 一方で「発売まであと3ヵ月、今後どんな情報が出てくるのか?」、「東京ゲームショウでプレイできる体験版についてもっと知りたい!」という声も多く聞かれる。そこで本稿では、それらに応えるべく、開発の中核を担うプロデューサーの片野徹氏、そしてシリーズディレクターの“T隊長”こと寺田貴治氏にインタビューを敢行。ステージを補完する内容にもなっているので、以下の、ステージで発表された内容のまとめ記事と合わせてご覧いただきたい。

・ファミ通.com“TGS 2019情報まとめ”特設サイト

片野徹氏(かたの・てつ)

写真右。本作のプロデューサー。ファンには“T隊長”の愛称でおなじみ。

寺田貴治氏(てらだ・たかはる)

写真左『サクラ大戦』シリーズディレクター。ファンには“T隊長”の愛称でおなじみ。

神山の動きに込められたスタッフの熱量を感じてほしい

――“セガフェス2019”での発表以降、ファンからはさまざまな反応があったと思います。それらを振り返ってみていかがですか? 狙い通りだった点や、予想外だったことなどはありますか?

寺田『新サクラ大戦』にはさまざまな仕込みをしてきました。新しい主人公に始まり、各国の華撃団や、正体不明の“夜叉”と名乗る敵だとか(笑)。いずれもファンの皆さんに楽しんでもらいたい、気持ちを高めてもらいたいと考えて入れた要素です。その観点から見ると、こちらの仕込みに反応してすごく盛り上がってもらえている現状は「狙い通り」と言えるかもしれません。

片野いい意味で予想外だったのは、いくつも挑戦的な新要素を盛り込んだので、賛否両論を呼ぶかもと覚悟していたところもあったのですが、全体として好意的に受け取ってもらえたことですね。今回のゲームショウでも、業界内のいろいろな人にまで、「期待してます!」とか「ずっとシリーズをプレイしてきました」とか声を掛けていただけていて、多くのファンに支えられているという実感が強くなりました。もっとも、声を掛けられるのは私がこんな恰好(編集部注:おなじみの袴姿のことです)をしているからかもしれませんが(笑)。

寺田とくに夜叉への反応は驚きでしたね。意外に、冷静に受け入れてくれている方が多くて。

――夜叉の話が出ましたが……秘中の秘な話題だとは思いますが、我々メディアの役割として、「夜叉の正体はいったい何者なのか?」と、ダメもとで聞かざるを得ないのですが……?(笑)

片野さすがに……(苦笑)。

寺田身内からも詰問されるのですが、これだけは話せませんね。いや、話せないことはもっとたくさんあるのですが(笑)。

――ですよね(笑)。ではつぎの話題ということで……8月の体験会、そして今回のゲームショウでの試遊とゲームに直接触れた方も多くなってきましたが、そこでの反応はいかがでしたか?

寺田戦闘パートに関しては「難しい」という声がちらほらと上がっていたようです。ただこれは、試遊版では本来第4話の戦闘パートを使っていて、それまでの3話である程度操作に習熟していることが前提のバランスになっているんです。そのため、初見プレイする方にとっては難しく感じるかもしれないのかな、と。

片野じつはそれを見越して、体験版でも最初のほうのエリアは易しめにバランスを調整していたのですが、思ったよりもさらに奥のほうまで進む方が多くて。調整しきれていないエリアで難しさを感じてしまったようですね。それで、じつは今回体験会のバージョンに調整を入れました。奥のエリアも調整したので、だいぶやりやすくなっていると思います。

――アクションゲームが苦手な人は、少し不安を感じているかもしれませんが、心配は無用のようですね。。

片野はい。それに製品版の第1話ではあんなに敵は出てこなくて、徐々にステップアップしていく形になっていますから。生放送の第1回で神山役の阿座上洋平さんがプレイされていた帝劇前のチュートリアル戦闘(※下の動画の28:00~あたり)がまさにそれで、誰でも簡単にクリアーできるところから、段階を踏んで戦えるようになっていますよ。

――体験会では「カメラの回転速度が遅い」という声もあったようですが、製品版では変更できるようになっているのでしょうか?

片野本日のステージでもお見せしましたが、カメラの速度は5段階で変更可能になっています。体験版でもオプションで変更可能になっていて、デフォルトでは少し遅めに設定していたのですが、今回はアドベンチャーパートでは最初からだいぶ速めにしました。

――それはありがたいですね! 本作でもアドベンチャーパートで信頼度を上げると、戦闘パートで能力にボーナスがつくようですが、試遊のバージョンではどのくらい補正がついているのでしょうか?

寺田最大値ではありませんが、かなり強めの補正が入っています。今回はバトル中でも信頼度が上がって能力が強化されるようにしているので、それも利用すればかなり強くなると思います。

――信頼度は、戦闘パートでも上がるんですか?

寺田細かい条件はまだ言えないのですが、さまざまな条件が設定されています。アドベンチャーパートと併せてそれらをクリアーしていくと、パワーアップがまざまざと感じられるようになりますよ。

――戦闘パートでの信頼度の上昇は、アドベンチャーパートでのイベントにも関わってくるのでしょうか?

寺田戦闘パートでの信頼度が上がると、一部特殊なボイスが発生することがあります。そのほか、全体的な評価にも関わってきますが、基本的に「戦闘パートでも信頼度を上げないとイベントが発生しない」という作りにはしていません。全部のイベントを見るためにゲームを何周もするのは、ユーザーさんにとってもたいへんですからね。エンディングは別ですが、メインのイベントは1周で全部見られるようにしています。

――信頼度と言えば、1日目のステージで片野さんから「(伯林華撃団の)マルガレーテはなかなかデレてくれない」という発言がありましたが、デレるということは彼女にも信頼度の設定があるということなのでしょうか?

片野攻略対象ではありませんが、過去の作品にも同じような感じのものがあったように、最終的に仲よくなっていると、ちょっとだけイベントが見られたり、ということがあったりします。そういう中では、マルガレーテは、鉄壁のガードなので……LIPSの選択でいい効果音がなっているのに、ぜんぜん変わった様子が見られなかったりしますね(笑)。

――この記事を読んで、発売後の方針を検討するファンもいるかもしれませんね! また話は戻るのですが、ゲームトレーラーに出てきた“合体攻撃”ですが、これは体験版でも出すことができるのでしょうか?

寺田体験版では、必殺攻撃は出せるのですが合体攻撃は出せないようになっています。出すのが難しいというわけではなく、あくまでストーリー上で条件を満たしてからということなのでご心配なく。

――それを聞いてホッとしました。では、ここからは今後のお話などを伺いたいと思います。久保帯人先生の起用や3D化、アクションバトルの導入、夜叉と、さまざまなサプライズが毎月のように発表されていますが、さらなる隠し玉がまだ用意されているのでしょうか?

片野さすがに夜叉を超える大物はないと思います。が、個人的には期待している要素が控えているので、これからの発表をお楽しみいただければと思います。

寺田ゲームショウもまだ2日間ありますしね。

――ちなみに「サクラ大戦 帝劇宣伝部通信」の9月分の放送は、TGSとは別にあるんですか?

片野9月に関してはお休みです。ゲームショウで出し切る予定ですので(笑)。

寺田でも、10月、11月に発表するネタはあるということなんですよね?

片野身内からそんな質問が来るとは(笑)。大丈夫です。あります!

――ミニゲームの情報がまだ出ていないですよね?

片野お楽しみに、ということで。

どこから入っても『新サクラ大戦』を楽しめるように

――本日のステージで発表されましたが、アニメ化についてのお話も伺えますでしょうか。

寺田アニメは外伝のような位置付けのものではなく、ゲーム版と同様にプロジェクト全体で作りこんだ大きな本編ストーリーが展開します。また、新しい華撃団のキャラクターなども出てきます。

片野コミック版はゲーム版のストーリーをなぞった内容ですが、アニメは新しいストーリーになります。『新サクラ大戦』という、これだけ大きな作品ですから、ゲームだけとかアニメだけではなく、いろいろな作品を味わうことで、より『新サクラ大戦』の世界が楽しんでもらいたいです。ゲームを先にプレイしなければ、とか、アニメを先に観なければ……というものではないので、自由にいろいろな作品に触れていただきたいですね。

――ゲームやアニメやコミック、いろいろな作品に触れるほど、より『新サクラ大戦』が楽しくなる、というようなイメージでしょうか。

寺田たとえば、ゲームは神山が主人公でプレイしますよね。コミックは、ほぼゲームと同じストーリーが描かれますが、主人公がさくらで、彼女の視点を中心に描かれるんですよ。つまり、そのときさくらがどう思っていたのかが描かれるわけです。夜叉が登場したときにどう思ったのか、ですとか。神山を通して見るか、さくらの目から見るかで、まったく違う印象を受けるかもしれませんね。

片野別のところでも言いましたが、コミックを読むと、さくらは神山のことを本当にかっこいいと思ってるんだなぁ、神山のかっこいいところしか見えていないんだなぁ、ってよくわかります(笑)。

寺田神山はゲームでもたくさんカッコいいところを見せてくれるんですよ! でも、ゲームだと、プレイヤーがついつい神山に三枚目の行動をさせてしたくなってしまって、なかなかカッコいいシーンが見られないということもあるかもしれません。

――ここのところの生放送や体験版での活躍で、すっかり三枚目なイメージが定着してきましたよね。シリーズ名物の「体が勝手に……」のシーンも、3Dになって「確かに体が勝手に動いている!」と感動を呼んでいます。

寺田評判になってくれているようでなによりです(笑)。じつは、「体が勝手に……」の動きにも、パターンがいくつもあるんですよ。お風呂の場所によって違うアクションを見せてくれるので、ぜひそれは楽しみにしていただきたいですね。僕が好きなのは、いったん画面の外に去って行ったと見せかけて戻ってくる……というパターンで、あれは何度見ても笑ってしまいます。

――われわれも早く神山の活躍を観たいです!(笑) さて、アニメ化の話からだいぶ逸れてしまいましたが、コミックやアニメのほかに他メディアへの展開は予定されているのでしょうか?

片野セガゲームス自身がさまざまなメディアを手掛けているということもあって、数多くの可能性があると思っています。まずはゲームを完成させることを第一に考えつつ、それらの可能性を探ることも続けていければという感じですね。

寺田東京ゲームショウもあと2日ありますので、そこでの発表にもご期待いただければと思います。

――それでは、最後にファンの皆さんへひと言ずつお願いします。

片野皆さんの声に支えられてここまでやって来られましたが、ゲームをプレイしないという方とも『サクラ大戦』復活という一大イベントを楽しんでいきたいとさまざまな展開を予定しておりますので、これからも応援をよろしくお願いします。

寺田これまで長い道のりでしたが、あとひと息というところまでやっと来られました。あとは、ステージでも言いましたがこのお祭りに皆さんも乗っかっていただいて、いっしょに楽しめればなと思っています。スタッフ全員でものすごい熱量を懸けて開発してきましたので、神山のアクションやカオルのメガネなどに込めたその熱を感じてください!