MyDearestはVRミステリーアドベンチャー『東京クロノス』の新規プロジェクト『PROJECT MEGALITH』を発表した。『東京クロノス』から数百年後の世界が舞台に、新しい物語が展開される。

 『PROJECT MEGALITH』は、『東京クロノス』でアニメーション監督を務めた柏倉晴樹氏が監督と原案を担当する。引き続きLAM氏がキャラクターデザインを担当し、発売と販売はMyDearestが手掛けることになるという。また「Chronos Series」として銘打たれており、今後のシリーズ展開も予想される。

 公開されたキービジュアルでは、巨大な赤い目玉に黄色い眼光のような光がクロスして走って背景に、奇妙な服を着た少年、あるいは少女が岩の上に佇んでいる。さらにその少年を掴むかのように手の指が見えている。まるで巨人が少年を掴もうとしている瞬間を捉えるかのような印象的なキービジュアルだ。

 発表された情報によると、『東京クロノス』から数百年後の世界が舞台とのこと。キービジュアルの前には荒廃した都市のような風景も映し出された。これ以上の詳細は明かされなかったが、2020年に発売を目指すとのことで、それほど待たずに情報が明かされるかもしれない。なおプラットフォームは明かされなかったが、VRタイトルにはなりそうだ。

 今回、明かされた情報は東京ゲームショウ2019のステージで発表されたもの。『東京クロノス』のスタッフ、出演声優、VRに詳しいメディア関係者を呼んで、今後のVR市場、VRの可能性についてのパネルディスカッションを開催。登壇した柏倉監督からは『東京クロノス』に関する裏話も披露された。

 柏倉監督によると『東京クロノス』も試作段階では、VR酔いが激しいタイトルだったという。キャラクターとテキストを交互に見ることが、眼球に負担がかかったとのこと。それを回避するために、『東京クロノス』はキャラクターのスケールを大きくして、テキストも奥に見える配置したという。こうして現在は『東京クロノス』はVR酔いをほとんどしないタイトルとして、長時間プレイできるゲームとして完成したとのこと。

 また『東京クロノス』は小説からスタートしており、それをVRで表現するために試行錯誤しながらビジュアル化していき、結果的にアドベンチャーゲームというフォーマットに落とし込まれたという。最初からアドベンチャーゲームらしいものを目指していたわけではなく、後からビジュアルノベルのような読書体験を重視するものとして完成したとのこと。

 むしろこれからは、ユーザーとキャラクターを同化させるためにアドベンチャーゲームとして突き詰めていきたいと、柏倉監督は豊富を語った。『PROJECT MEGALITH』が発表されたのは、この柏倉監督のトークの後だったが、何か最新作の表現のヒントがあるかもしれない。

(画像はPS Store『東京クロノス』より)

 他にも発表会では、『東京クロノス』のアニメ化やコミカライズ化も発表。どちらも詳細は不明だが、アニメに関してはテレビアニメ化ではなくちょっと違う切り口でやりたいとのこと。これまでミュージックビデオみたいなものは制作していたが、もう少しキャラクターに寄った作品を目指すという。

 会場では多数のファンが訪れたが、これほど多くの人が詰め掛けるのは、数年前のVRコンテンツでは考えられなかったと登壇者からの感想もとびだしてきた。今後、数年後にはVRコンテンツは日常的なものになっているのか。VRの可能性や未来を感じさせる発表会となった。

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman