2019年9月25日、『The Last of Us PartII』メディア体験会がアメリカ・ロサンゼルスにて開催された。最初に本作のライター兼ディレクターを務めるニール・ドラックマン氏からの簡単なプレゼンが行われたあと、本作のデモプレイが体験できた。

『The Last of Us PartII』とは
 謎の寄生菌が発生した世界で、インフェクテッド(感染者)と生き残った人々と戦いながら、主人公のジョエルと、ともに行動する少女・エリーの旅を描いた『The Last of Us』の続編。前作から5年後の世界が舞台となっている。また、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2019年9月25日5時(日本時間)に配信したプレイステーションの新作紹介番組“State of Play”にて、発売日が2020年2月21日だと発表された。

 プレゼンでは、『The Last of Us』のテーマは“愛”だったのに対し、本作では“憎しみ”がテーマになっていることが語られた。エリーは、前作のラストから時がすぎ、トラウマを乗り越え、趣味、仕事、友だちに加え、好きな人もいて、私たちが思う“普通”の生活を送っているという。だが、ある出来事が起こってエリーの生活が根底から覆される。これが『The Last of Us PartII』の物語に繋がっていくとのことだった。

 また、体験できるデモプレイについての簡単な説明も行われた。今回プレイできたのは、“パトロール”と“郊外”というふたつのチャプター。

  • “パトロール”:ストーリー序盤。ある出来事が起こる前で、エリーは“ジャクソン”という生き残った人々が協力して生活している場所で、パトロールの仕事をしている。小さな脅威なら排除し、大規模なら戻ることになっているという。
  • “郊外”:ある出来事が起こったあと。ここでのエリーは、トミーという人物のもとへ行くためにシアトルにいる。シアトルは、WLF(ワシントン解放戦線:ワシントン・リバティ・フロント)という自分たち以外を受け付けないグループによって隔離されているらしい。
  • エリーは18歳となり、以前より動きが機敏に。ほふく前進もできるようになっており、草にも隠れられるが、完全に隠れるわけではないので、敵が近くにくれば見つかってしまう。
  • 敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すことで避けることもできる。
  • 大勢の敵に囲まれてどうしようもなくなったら、逃げてステルス体制を整えることが最大のアドバイス。
  • 工作:新たなアイテムがあり、武器やアビリティがアップグレードするオプションもたくさんある。エリーを自分のプレイスタイルに変えていけるので賢く選択してほしい。

 要点をまとめるとこんな感じ。ほふく前進や避けるといった新しいアクションが増えているようで、使いどころが肝となりそうだ。プレゼンが終わったら、いよいよプレイ開始。

リアルすぎる人間ドラマが楽しめる

パトロール

 最初にプレイした“パトロール”は、エリーがE3 2018で公開されたトレーラーに登場したディーナとともに、馬に乗ってジャクソンの周りをパトロールしているところからスタート。ディーナとの会話で、ジョエルもジャクソンにいること、エリーがギターを弾けること、ユージーン(すでに亡くなっているみたいだ)とトミーという人物と親しくしていることなどがうかがえた。

 今回のパトロールではインフェクテッドにも出会わず、「All Clear(異常なし)」とノートに署名。ジャクソンへ帰ろうとした矢先、骨が見えてしまうほど残虐に殺されたヘラジカを発見。「インフェクテッド1体でこんなになる……?」ということで、インフェクテッドは複数いるみたいです。排除するため、あたりを捜索することに。

 さっきまで和やかに会話していたのに、ピシッと緊張感漂う空気に変わるこの感じは『The Last of Us』から引き継がれているなあと感じた。

 近くにあったスーパーマーケットの中に入ると、さっそく2体のクリッカーを発見。最初に出会うのがクリッカーか……。クリッカーは、感染がかなり進んだ状態のインフェクテッド。視力を失っているかわりに聴覚が異常に発達しているため、音を出すのは厳禁だ。素手では倒せないうえ、噛みつかれた場合(即死)ナイフが必須という厄介な敵。クリッカーと呼ばれる所以でもあるクリック音を出すのが特徴。

 今回、クリッカーに気づかれないよう近づけば、ナイフを使って一撃で倒せるとのこと。気づかれないように、だ。本作では、左スティックを倒す力加減で移動速度がけっこう変わるのだが、このコントロールが難しい。倒すのが軽すぎるとゆっくりすぎてクリッカーに追いつけないし、倒しすぎると足音で気づかれるのだ。近づいているときのエリーの緊張感がこちらにも伝わってくるようで、ものすごく緊張した。

 と言いつつ、ビビりながらも、無事に倒すことに成功。厄介だが、だからこそ倒せたときの達成感はやはり大きい。

 その後、胞子が蔓延しているエリアに突入したため、ガスマスクを着用。寄生菌の免疫を持っているエリーは胞子を吸い込んでも平気なはずなのに、ディーナとともにガスマスクをつけていた。何かワケがありそうだ。が、ここでは何も話さなかったので、とりあえず進む。

 ちなみに、火炎瓶や医療キットなどのアイテムは、前作から引き続いて登場。個人的に驚いたのが、作業台で武器を強化するアクションがかなりリアルになったこと。作業台があれば、本作でもライフルやピストルの装弾数を増やしたり、マズルブレーキを装着してリコイル(撃ったときの反動など)を抑えるなどの強化ができる。

 前作では、強化する項目を選択すると、どの項目でも変わりなくジョエルがガサゴソと動いて強化が完了していた。だが、本作では、リコイルを抑えるなら銃にマズルブレーキを装着、装弾数を増やすなら、油を注して銃を磨くといった動作をそれぞれ行うのだ。細かいところだが、強化している過程が見えて、よりゲームに没頭できるようになるのではないかと感じた。これはぜひプレイして確かめてほしい。

 話は戻って、胞子が蔓延したところでは大勢のインフェクテッドがうごめいていた。火炎瓶と、ディーナとの協力によって、何とかインフェクテッドを一掃。今度こそジャクソンへ帰ろうとしたが、外は猛吹雪。ディーナを一度見失ってしまうほど前も十分に見えないため、とりあえず吹雪が防げそうな建物の中へ避難することに。

 一難去ってまた一難な感じも『The Last of Us』らしい。一筋縄では進ませてくれない。やはり、乗り越える壁は高ければ高いほど楽しい。

 避難した建物では誰かが生活していたようで、発電機を発見。稼動させると、床板のあいだから明かりが漏れており、地下室が存在していることが判明した。階段で降りると、そこはマリファナ(枯れているが)を大規模に栽培していた場所だった。ふたりの会話から、どうやらトミーが栽培していたらしい。中にはアダルトなビデオテープも……。そういう娯楽もまだあったようだ。

 地下室を一通り見て回ったあと、ふたりはソファに座って一息。そこで、ディーナからエリーへ「昨日のキスに10点満点で点数をつけるなら?」との質問が。「人も大勢いたし」という発言から、E3 2018で公開されたトレーラーのあのシーンのことを指しているのではないかと推測。

 初めて見たときの衝撃が忘れられないあのキスシーン。ディーナは「私は6点」とのこと。「6点!?」とエリーは納得のいかない様子だ。結局、その後もエリーは点数を言わないまま、ディーナをソファへ押し倒すほどの濃厚なキスシーンを見せつけて“パトロール”は終了した。

 やはり、このふたりは親密な関係にあるようだ。なんて冷静に見ていられるはずもなく、「ちょっとちょっと」と手で目を覆って指のあいだから見てしまうような気恥ずかしさが襲う。ただ、ゲームだとわかっているのに、目線の動き方や些細な動作がすごくリアルで、実写映画を観ているようだった。すごい。

戦闘では、動き続けながらも考え続けることが重要

郊外

さて、続いては“郊外”。“パトロール”でいっしょだったディーナはおらず、エリーはひとりで行動。ストーリーが進んだ状態ということで、工作できる種類や持ち物も増えていた。破裂玉という投げると敵を動揺させるアイテムや、銃につけるサイレンサーという前作には登場しなかったアイテムも工作できるように。

 さっそく遠くのほうで爆発が起き、「あれ絶対トミーだよね」とエリー。トミーがいったい何をしているのか気になるところだが、まずは使えるものがないか探す。すると、“ワシントン解放戦線に参加せよ”というチラシを発見。これが“ワシントン・リバティ・フロント”(WLF)で、エリーの敵となる存在ということだ。

 物色しつつ、爆発のあった方面へ進んでいくと、さっそくWLFの兵士たちが登場。中には犬を連れている兵士もいて、このときはのんきに「かわいい! けど、見つかったら厄介そうだから気を付けよう」くらいにしか思っていなかった。この犬、大変でした。

 進行ルートを考えながら、草に隠れていると兵士&犬が接近。そのとき、“犬はある程度近づくとエリーの匂いをキャッチし、痕跡をたどって追跡できる”という旨の説明が画面上に現れた。

 「え、ちょっと待って」と一気に焦る。自分の痕跡は聞き耳の能力で見ることができるのだが、もちろん自分のいる場所まで続いている。そのあいだにもどんどん犬は追跡してくる。しかも近づいてくるのがけっこう早い。追跡を振り切るには、レンガや空き瓶を投げて注意をそらすか、とにかく動きまわるしかないという。

 “郊外”で一番苦労したのが、犬だった。このキョリなら大丈夫だろうと思っていても、すぐに匂いをキャッチされて追跡される。ひとつの場所にとどまり続けられないので、ゆっくり考えることもできない。そして見つかる。といったくり返しだ。あと、犬を攻撃すると甲高い悲鳴を上げるのだが、これがかなり罪悪感。

 ここで、ふと考えたのだが、立ち止まらず、どう切り抜けるかを考え続けるというのは、戦いの場においては当たり前のことだ。敵も単純には倒せない。“戦場で油断は禁物”と、わかっているけどこんなにも実感できるゲームは、いままで出会ってきたゲームの中でも一番だ。

 犬に苦戦しながらも動き続け、何とかその場は切り抜けた。が、ある建物内で「くそ、シャンブラーだ」とエリーが発言。新たなインフェクテッドの登場だ。シャンブラーというのは“よろよろ歩く者”といったような意味合いらしく、外見は前作で登場したブローター(感染が一番進んだ状態。胞子の塊を投げて攻撃し、体も固くなかなか倒せない)に似ているが、確かにふらふら、よろよろ歩いていた。

 新たなインフェクテッドなうえに2体いたため、かなり用心し、いつもはできるだけ節約する火炎瓶を投げる。2体まとめて倒せたらよかったがそう簡単にもいかず、1体がこちらに向かってくる。こちらもショットガンで応戦し、倒すことに成功した。

 見つかる前に攻撃を仕掛け、スムーズに倒せた。やった。出くわしたときはこの世の終りのような気持ちになったが、焦らないで対処すればちゃんと倒せるし、自信もつく。攻撃を仕掛けるまではなかなか時間がかかったが。

 ちなみに、今回、攻撃を受けずに倒せたのでわからないが、倒れたあとに胞子をまき散らしていたことから、ブローターのように胞子の塊を投げるといった攻撃も行う可能性がある。

 シャンブラーを倒し、地上に出て進むと、またもやWLFに遭遇。できるだけ見つからないように進みたいのだが、まあ犬に見つかる見つかる。そして戦闘になり、負けて、コンティニューというのを10回ほどくり返したところで、見かねたノーティドッグの方がアドバイスしてくれた。

 ちなみに、本作でも弓矢を使用でき、限界まで引き絞るとヘッドショットでなくても一撃で倒せるほどの攻撃力になる。ただ、移動しながらだと威力は落ちるらしい。また、ヘッドショットなら矢を回収できる場合があるほか、工作で矢を作成することも可能だった。矢を回収できなければ工作できるということだ。ありがたい。

 筆者の場合、ステルスにはもってこいだと思って、矢で倒していこうとしたのだが、倒した兵士を別の兵士が見つけてより警戒されて見つかる、というパターンが多かった。この手法は断念。

 さて、アドバイスによると、“郊外”は“パトロール”よりも難易度が高いらしく、とにかく見つからないように、倒さないように進むのがベストだという。見つかってしまった場合でも、とりあえず逃げて目的地へ行ってしまうのがいい。ということで、WLF兵士を無視し、駆け抜けてダメージを追いながらも、命からがらその場を脱出。

 やっとつぎの場面だと思ったとたん、後ろから口を覆われ、「また敵か⁉」と思ったのだが、その正体はジョエルだった。ジョエルと出会えた喜びをかみしめていると、エリーが「なんでここにいんの?」と聞き、「お前をひとりで行かせるわけないだろ」とジョエルが答えて、“郊外”は終了した。

 「ここで終わりか……」と続きが気になって仕方ないが、発売日まで待たなくてはいけない。待ちきれない。

ストーリーはもちろん、戦闘も大いに楽しめる

 約2時間のデモプレイを終えて思ったのは、戦闘がかなり難しくなっているということ。単純に倒したり通り抜けたりはできない。今回、ほふくができるようになっているが、敵が近くに来ると見つかるし、敵の配置も絶妙で、下手に動くと見つかる。

 何より、犬が本当に大変。犬さえいなければ突破できるのに……と何度思ったことか。本当に動き回らなければすぐに見つかってしまうのだ。そういうわけで、戦闘のクオリティーがかなり高くなっている。かなり考えて動く必要があるのだが、それが楽しくて仕方ない。

 何度も同じ場所で倒されたが、つぎはこうしてみよう、あのルートなら行けるかもしれない、と試行錯誤して、クリアーできたときのうれしさといったらない。ただ、うれしさだけでなく、つぎに何が来るのかわからないわくわくと緊張感も同時に襲ってくる。プレイが終わったあと、緊張感が解けたのものの、興奮していて、本当に手が震えていた(しかもなかなか治まらない)。

 あっという間に時間がすぎ、驚くほどゲームの世界にのめり込んでしまった。発売日も決定し、エリーとともに冒険できるのが楽しみでならない。エリーとジョエルの関係が、本作でどう変化しているのか、ディーナはどこへ行ったのか、トミーはどういう人物なのか……などなど、気になることばかりだが、2月まで発売を待とう。