既報の通り、海外ではエピソード4まで配信中の『ライフ イズ ストレンジ 2』が日本国内でも発売されることが決定した(対応機種はプレイステーション4、Xbox One、Steam)。本稿では、国内発売決定を記念して『ライフ イズ ストレンジ』、『ライフ イズ ストレンジ 2』のシナリオライターであるJean-Luc Cano(ジャン=リュック・カノ)氏にインタビューする機会を得たので、そのインタビューをお届けする。

 過去にE3やgamescomなど海外イベントでインタビューした内容も併せてどうぞ。

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『ライフ イズ ストレンジ 2』とは

 主人公は、シアトルに住むごく普通の兄弟。ある悲劇的な事件の後、兄のショーンは、超能力に目覚めた弟ダニエルを連れ、自分たちの居場所を求めて父親の故郷であるメキシコ“プエルト・ロボス”までの逃避行を始める。

シナリオライター・カノ氏へインタビュー

『ライフ イズ ストレンジ』、『ライフ イズ ストレンジ 2』シナリオライター
Jean-Luc Cano(ジャン=リュック・カノ)

――この夏は(DONTNOD Entertainmentがある)フランスが暑かったとニュースになっていましたが、大丈夫でしたか?

カノ とても暑かったです。ロサンゼルスの砂漠よりも暑いと感じた、とアメリカの友人も言うほどでした(笑)。5日間くらいでしたが、学校も休校になり、その期間はモーションキャプチャーのスタジオに連れて行ったりもしました。

――モーションキャプチャーの作業に連れていったんですか? 基本的にはシナリオをやってらっしゃるんですよね?

カノ 70%がシナリオ、30%がモーションキャプチャーくらいの割合でやっています。シナリオは、パートごとの大まかなストーリーを作っています。細かい分岐に関しては、ほかにふたりのディレクターがいて、そちらに担当してもらっています。モーションキャプチャーのほうは、シーンの大まかな雰囲気を役者さんに伝えつつ、動きの指示も出しながら、ディレクションをしています。

――シナリオを考えているからこそ、そのシーンの動きのニュアンスも伝えられるわけですね?

カノ そうですね。自分がシナリオを書いているからこそ詳細な指示を出せます。ほかのふたりのディレクターはひとりはアート、もうひとりは音楽も担当しています。3人でいろいろとディスカッションをしつつ、その場で指示出しをしています。

――カノさんは1作目から関わっていますが、『ライフ イズ ストレンジ』シリーズのストーリーでもっとも重視している点はどこですか?

カノ 1作目については続編のことを考えておらず、1作で完結する作品として作っていました。主人公はマックスとクロエですが、ふたりだけの物語にするのではなく、ありきたりな人間関係や社会的な問題にもフォーカスしたかったんです。そこに、ゲーム的な要素として、マックスが時間を巻き戻す、といった超常現象の要素を加えました。『ライフ イズ ストレンジ 2』でもダニエルの超能力という要素に加え、“教育”についても深く描きたいと思いました。ショーンをどうするか、ではなくダニエルとどう接するべきかという、ところですね。

――『ライフ イズ ストレンジ 2』ではダニエルをどう導くかが物語を左右するということですか?

カノ その通りです。ダニエルをいかに成長させるか、というところが重要です。いろいろな経験を通してダニエルをリードしていくのですが、各エピソードで兄弟はさまざまな問題に直面します。それらの経験を通して、ショーン……つまりプレイヤーだけでなく、ダニエルも成長していくわけです。人を育てるときには多くの選択があると思うのですが、その部分をゲームシステムに組み込みたかったんです。

――たとえば、ダニエルを優等生的な弟にしようとする場合、エピソード1で悪い選択をした場合、それはその後のエピソードにも影響するのでしょうか? それともエピソードごとに軌道修正は可能なのでしょうか。

カノ まず最初に、いい選択、悪い選択、という区別はないと考えています。彼らは特殊な状況に置かれているので、兄としてときにはモラル的には問題がある行動も選ばなくてはならないかもしれません。それは、すべてプレイヤーの判断に委ねられます。兄弟の関係は、エピソードごとに変わるのではなく、すべての選択が最終話にまで影響を及ぼしていきます。

――いま英語版のエピソード3をプレイ中なんですが、僕のダニエルはすごく反抗的なんです……。

カノ (笑)。どういう選択をしてきた場合でも、エピソード3では、ダニエルは反抗的な態度が目立つかもしれませんね。ただ、ダニエルの行動は、エピソード1や2でどういう選択をしたかによって変わったりもします。もしダニエルを怒ったりしていたら、より反抗的になったりするかもしれません。

――プレイしていて、1作目よりも『ライフ イズ ストレンジ 2』のほうが、選択による物語の分岐の幅が広いと感じました。

カノ 1作目と同じようなゲームにはしたくなかったんです。1作目は、アルカディア・ベイという町の5日間の物語でしたが、本作では、アメリカからメキシコに向かうまでの1年間の物語にスケールも変えました。1作目は、小さい町ですし、5日間ということで結果がすぐわかります。『ライフ イズ ストレンジ 2』は、ロードトリップでゲーム内の期間も長いので、ひとつひとつの選択がもたらす影響が大きく、よりドラマチックになっています。

――ほかに、『2』を作るにあたってチャレンジしたことはありますか?

カノ いちばんのチャレンジはダニエルです。1作目のマックスやクロエは、プレイを通して性格が変わったりすることはありませんでしたが、ダニエルはエピソードごとに成長していきます。エピソード1ではふつうの子どもでも、エピソードが進むにつれてプレイヤーの影響を受けていきます。そこを書き分けるのは、シナリオライターとしてはたいへんでしたし、チャレンジングなことでした。

――『ライフ イズ ストレンジ』シリーズの特徴ですが、最後に究極の選択肢が出ますが、『1』ではあれは最初から考えていたのですか?

カノ あの選択肢は、最初から決めていました。いろいろなタイプのライターがいますが、僕はエンディングを最初に決めないとストーリーが書けないタイプなんです。

――ちなみに、カノさんは最初、どちらを選びましたか? 

カノ 先ほど、いい選択、悪い選択はない言いましたが、ストーリーとしては、マックスが大人になっていく過程を描き、大人としての選択はこちらだろうということで●●●●●●●に決めました。ただ、すべてはクロエを救うために選択をしてきた、という部分もあるので、そこから導かれるある種、自然な結果も見てみたかったので、けっきょく、両方の選択を見ました。

――両方の結末を体験できるのは、ゲームならではですね(笑)。

カノ はい(笑)。どちらの選択も自分の中ではハッピーエンドという認識です。

――1作目について、いまだから明かせるようなエピソードはありますか?

カノ じつは、『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』とは違うスピンオフのアイデアがありました。しかし、『ライフ イズ ストレンジ 2』の開発がスタートし、スピンオフに取り掛かる時間がなかったので、それはDeck Nine Gamesに任せて『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』ができました。

――では、カノさんの中では別の物語のアイデアがあったと。

カノ はい。『ライフ イズ ストレンジ 2』に関しても、いろいろなサイドストーリーのアイデアがありますが、世に出るかはわかりません。

――何らかの形で公開してほしいです。では最後に、日本でも『ライフ イズ ストレンジ 2』の発売が決定しました。日本のファンにメッセージをお願いします。

カノ 私たちは『ライフ イズ ストレンジ』のコミュニティのことをすごく気にしています。『ライフ イズ ストレンジ 2』ではアルカディア・ベイを離れ、マックスとクロエもいません。それを残念に思っているのではないかと心配しています。私たちは、すごく愛を持って制作に取り組んでいますし、馴染みのある要素は『2』にも受け継いでいます。いま私たちは残りのエピソードの制作に力を入れています。今後も『ライフ イズ ストレンジ』シリーズに期待を持ってもらえるような作品にしたいと思っていますので、『2』のショーンとダニエルの物語に期待してください。

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